秋田公立美術大学

学生インタビュー

その土地に暮らし、
作ることの価値

秋田公立美術大学

美術学部 美術学科 アーツ&ルーツ専攻
F.Hさん(東京都和光高校出身)


大学近くに秋田で一番大きい雄物川。河原は公園、夏には花火大会もあって年中とても楽しい川です。

なぜこの大学を選んだのですか?

受験する志望校を決める際、色々な大学の卒業制作展を見にいったりしていましたが、あまりしっくり来ず私自身が大学に入学して何を学んでいきたいのか、どのような表現媒体を選べばいいのかわからず悩んでいました。そんな時に3年次から専攻が確定し、1・2年の間に考える事ができる同大学に惹かれました。

秋田県での生活はどうですか

冬の雪が辛かったり、当たり前だと思っていたものがなかったり、驚くこともたくさんありました。でもそのうち当たり前になっていき、今では生活の中に溶け込んでいます。4年間楽しく過ごしています。

この大学を選んで良かったことは?

「自分にとって“表現”とは何か?」についてずっと探求できたこと、だと思っています。私は普通科の高校を卒業し、受験対策を始めるまでは自分自身で美術に関わったことはあまりありませんでした。

そんな中、大学に入ってから自分にとってどういった形で美術に関わっていきたいのか悩める時間がありました。そして選んだ専攻に所属して2年間自分自身の表現について、表現媒体に囚われずに追求していくことができています。

一般的に美術大学では(全ての大学がそうというわけではないですが)受験の段階で彫刻・絵画・デザインなど、表現媒体を選択しなければいけないことがが多いように思います。けれど美術の作品形態はどんどん多様化し、“表現媒体”を一つ選ぶということもどんどん難しくなっているように思います。そうした中で、枠にとらわれずに時間をかけて自分自身の表現と向き合えたことが、私にとって秋田公立美術大学に入って一番よかったと思っていることです。

現在は卒制に向けて休み返上で制作しています。大学院の受験とほぼ同時になってしまい、どちらも今自分にできることを全力でやりきりたいです。

秋田県の風土や特徴は?

人が住む場所と自然の近さを感じる事が多くなりました。個人的には大学近くの山でクマの出没情報が出たことと、住宅街でキジやカモシカと遭遇したことが一番驚きました。

一人暮らしはどうですか?

元々両親が共働きで家事などには慣れていたのですが、一人で全てを管理していくのはとても大変でした。どこにこだわってどこを妥協していくのか、生活のルーティンを見つけるととても過ごしやすくなったように思います。

人生初の鹿肉&熊肉!鹿と熊を大学で解剖する機会があり、新鮮なうちに食べられる部位をとって焼肉にしたり熊汁にしました。

これからの楽しみや展望は?

もう直ぐ卒業ですが、自分の今後がどうなっても3月はいろんな場所に行ってみたいです。例えば、関東の実家にたどり着くまで東北のいろんな場所を寄り道してみるとか。進路などは現時点では進学しようと考えています。就職などはまだ考えていませんが、4年間学んできたことを少しでも活かせる職業に就きたいです。

受験生へのメッセージ!

私が受験生だった頃は、自分が何に興味があって、どんなことをしたいのか、よくわかっていませんでした。イライラしたり、周りと比べたりして…。それでも、その時考えられる最大限の選択をして今の大学に進学して本当に良かったと感じています。

受験する大学を選ぶことはこれからの4年間を決める行為です。その選択に妥協はしないほうがいいと私は思います。今少しでも迷っている事があるなら一度立ち止まって考え直す事も必要でしょうし、今考えている選択肢以外へ視野を広げてみるのもいいかもしれません。悩みに悩んで納得する事ができたら、その答えはきっと自信に変わります。辛い時期かもしれませんが、頑張ってください。

大学内のサークルで地域のお祭りに参加したりする事ができます(写真は竿灯祭り)