藝大生のアートな日々

芸大生のアートな日々
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藝大生のアートな日々

東京は上野。美術館や動物園、博物館といった文化施設が並ぶ上野恩賜公園と隣り合わせの東京藝術大学。
木々や池もある自然豊かな空間は、東京の中心とは思えないほどゆっくりと時間が流れています。
そんな上野キャンパスで学ぶ藝大生にキャンパスライフをインタビューしてみました。

毎日作品制作に集中したい。
「藝大」はそれがかなう場所です。

絵画科 油画専攻 2年 K ・Yさん
なぜ東京藝大を目指そうと思ったのですか?

色々な理由はありますが最初に行こうと決めたのは初めて藝大油画の卒展を見に行ったときです。完成度の高い作品かつ力強く今まで見たことないものばかり。油絵は指で数える程しか描いていなかったので作品自体を理解することはできませんでした。けれど作品に圧倒された。それが悔しくて、入ってやる!と覚悟しました。

藝大に入ってみて感じたことは?

自分がいかに狭い世界にいたかと思い知らされました。同じ科でこんなにも違う人がいるのかと驚きました。漫画描く人、洗面所作る人、自分のセロハンテープを取ったときの長さを測る人…本当に色々な人がいます笑。皆とても真面目で優しくて常に良い刺激を貰い合っています。

周辺環境について教えてください。

藝大からは少し離れていますがROUTE BOOKSというカフェがお気に入りです。外見はジャングルかな?みたいなところで本屋と家具屋とカフェが一体になっています。美術やデザインに関係した本も沢山あって行くだけで盛り上がるのでおすすめです。

藝大の授業について教えてください。

たくさんある授業の中でも凧上げの授業が面白かったです。凧上げと言っても一から自分で作ります。紙を擦って絵の具を作り自分で上げる。コロナで凧を上げることはできませんでしたが一から作ることで素材の奥深さと空に上げるなど作品の在り方で見え方が変わることを考えることができました。

藝大の好きな場所について教えてください。

制作中は一人で外の空気をよく吸いに行きます。なので絵画棟の前のベンチが好きです。馬鹿でかい木とマッチョな彫刻科の人達を見ながら飲む珈琲は絶品です。

今いちばんハマっていることは?

今だけでなく昔からですが登山が好きです。軽いハイキングから命綱をつけて登る本格的な登山まで幅広く活動しています。また行き当たりばったりが好きでよく自転車で街中を走り回っています。小さなことでも発見があればメモしたり写真を撮ったりしています。登山に限らず僕にとって絵を描かない時間はアイデアを生み出す上z1でとても大事な時間です。

制作において大切なことは?(今考えていることや予備校時代と比較などして)

トーリン美術予備校では先生たちが優しく寄り添い、一緒に悩みを解決していってくれました。自分で考える力が身に付いたと思います。大学と予備校の違いは正直よく分かりません。それぐらい変わらないのかもしれないです。制作では繊細な作業から大きな作業まであるため体力を使います。そのためにも制作前にコンディションを整えることをとても大切にしています。

制作に集中できる環境。友達とは無駄話から
作品についてまで幅広く話します

油画専攻を目指すみなさんへ!

絵を描いてると人と比べて自分には才能がないなと思うことがあると思います。そんなときは才能が無いなら無いからこそ自由にやろう!失敗してやる!ぐらいの気持ちで楽しんで描いてみてください。

上野公園という環境、そして級友。
本気で上達したいと思う毎日です。

絵画科 日本画専攻 4年 K・Mさん
なぜ東京藝大を目指そうと思ったのですか?

最初は絵が学べるならどこでもよかったです。でもトーリンの先生の話や、試験内容や、金銭面など色々経ていつの間にか藝大を目指していました。

藝大に入ってみて感じたことは?

相手が自分と違っていても「そういう人もいる」といい意味で無闇に踏み込んでこない、そういう人たちが多いと感じますし、その距離感は私にとって心地よいです。もちろん制作面でも様々な目標を持って努力をする人々に囲まれることはとても刺激になります。

周辺環境について教えてください。

美術館や博物館はしばしば利用します。(コロナ禍で息詰まってふらっと訪れるのが難しくなってしまいましたが。)キャンパスメンバーズという制度があって常設展が無料になったり、企画展が割引になるのはありがたいです。また大学周辺の根津、谷中の街並みやお店が好きです。

藝大の授業について教えてください。

日本画専攻では1・2年生はだいたい月に一作品課題内容に沿った作品を作ります。受験では透明水彩を使っていましたが大学では岩絵具を使いますので、大方の学生はまずは画材について一から学ぶところからスタートです。3年次以降自由制作が増え、一作品の制作時間も徐々に増えます。岩絵具は複雑な画材で、描く以外での準備も工程も多いのですが、そういう時間も何となく好きになってきました。

座学では全てではないですが他の科や分野の授業が受けられるのが楽しいです。3年次は写真センターやAMCが開設している授業を受け、良い学びや刺激をもらいました。興味を持って能動的に学ぼうとすれば色々なことを得ることができると思います。

藝大の好きな場所について教えてください。

制作中は一人で外の空気をよく吸いに行きます。なので絵画棟の前のベンチが好きです。馬鹿でかい木とマッチョな彫刻科の人達を見ながら飲む珈琲は絶品です。

今いちばんハマっていることは?

私は読書や映画鑑賞にずっとハマっています。どちらも単純にそれ自体が楽しいし、制作や生活の刺激にもなります。あとはずっと鉱物を集めています。日本画専攻にしようと思った理由も岩(鉱物)を砕いた絵具を使うというところが一つあります。他には古い窓枠を集め始めました。何かを集めるの楽しいですよね、読書や映画も自分に合った物語の収集のような感覚です。

制作において大切なことは?(今考えていることや予備校時代と比較などして)

私は物語に憧れて制作をしています。それがずっと軸にあって、じゃあ自分が今欲しい物語は何だろうと探しながら制作しています。日本画についてはまだまだ勉強中で正直よくわからない部分も多いですが、自分が作りたい物語はずっとあるので、それを大切にして絵という形で表現していきたいです。トーリン美術予備校時代は技術を鍛錬して飛ぶための翼を育てていたような感覚です、大学ではその翼でどこへどうやって飛んで行こうか模索しています。

木工室はパネルを自主的に製作できるためとても助かってます。
大体は夜8時まで延長届を出して制作を。
藝大内には至る所に木があります。敷地の面積からしても多く感じます。中央棟付近の木々は授業のついでについつい眺めては癒されたりしてます。

日本画専攻を目指すみなさんへ!

自分の作品をシビアに見つめられる客観性が必要です。一枚一枚目標を持って取り組めると良いと思います。そうやって身につけた技術や辛抱強さはきっと大学やその後の制作でも役立つはずです。

藝祭は街ぐるみの大イベント。
元気と夢を与える作品を創りたい。

彫刻科 彫刻専攻 4年 Y・Kさん
なぜ東京藝大を目指そうと思ったのですか?

絵を描くことは好きだったのですが、色が苦手で唯一受験で色を使わない彫刻にしました。国立大学でお金がかからず、都会に憧れがあったので場所も良く面白い人たちがたくさんいそうだなと思ったので目指しました。

藝大に入ってみて感じたことは?

生徒との会話やお互いの作品を見せ合うことが自分の制作のヒントになったりします。また、生徒と教授の距離も近いので活躍している作家さんの話を間近で聞けることに驚きました。

周辺環境について教えてください。

近くにある美術館の常設展を無料で見られるのは嬉しいです。制作で考えがまとまらなかったりするとたまに作品を見て考えを整理します。あとはアメ横に飲み屋がたくさんあるので色々なお店を開拓するのが楽しいです(笑)。
※お酒は二十歳になってから!

藝大の授業について教えてください。

彫刻科は一つの作品に時間がかかるのでしっかりと考えながら作品に集中することができます。講評は自分の作品だけでなく同級生が作った様々な作品の話も聞けるので勉強になります。

藝大の好きな場所について教えてください。

アトリエが好きです。制作中はしっかりと集中でき、休むときには友達や先生たちと談笑できます。自分の好きな時間に好きなことができる場所がアトリエです。

藝大のイベントで面白かったことは?

彫刻科は上の写真にある蟹祭や鑿(のみ?)祭、鞴(ふいご)祭などたくさんのお祭りがあります。蟹祭では教授が用意してくれた、たくさんの蟹が用意されます。食べ放題です。
藝祭は一年で一番大きなイベントですが、 1 年生の時に作る神輿は一生の思い出になります。

制作において大切なことは?(今考えていることや予備校時代と比較などして)

作る時間ももちろん大切ですが、納得のいく形が思いつくまで考える時間をしっかり取ることです。ドローイングを何枚も重ねて作品の構想を突き詰めることで納得のいく作品ができると思います。

藝祭で作った神輿を、神田の町中で担ぎました。
学年みんなで作った作品をみんなで担いで世の中の人々に見てもらう最初の機会です。
とても楽しかった思い出です。

彫刻専攻を目指すみなさんへ!

受験に向かって一生懸命頑張ることは大切ですが、一生懸命になりすぎて自分のレベルや課題が分からなくなってしまうことがあります。ゲームやスポーツ、音楽など美術と全く違うことをして自分を客観視してみることをおすすめします。

難しいけどやりがいのある日々。
とにかく自分が楽しむこと!

デザイン科 デザイン専攻 2年 K・Mさん
なぜ東京藝大を目指そうと思ったのですか?

大学附属の高校に通っていたので、元々受験するつもりはありませんでした。大学の専攻を決める時期に心の底から「行きたい!」と思える専攻がなく、他大学も思ったところじゃない…。と悩んでいたとき、習い事感覚で通っていた某美術予備校の先生に「藝大は?」と言われたことが意識し始めたキッカケです。色々調べた結果、藝大の可能性の広さと芸祭が超楽しそうだったので、「行きたい!」となりまし

藝大に入ってみて感じたことは?

ここが藝大か~!!やべー!!楽しいー!!!!! 出会う人も、周りの景色も、学ぶこともすべてが新鮮で毎日必死でした。つらいと感じたことは今のところありません。楽しく必死に過ごしています。

周辺環境について教えてください。

上野駅から藝大までの道は春夏秋冬感じられて、歩いてるだけで楽しいです。マクドナルドとコンビニと東急ハンズが歩いて5分圏内にあったら、もっと最高です。

藝大の授業について教えてください。

突然、触ったことのない機材を使わされ、見たことのない素材を触り、一か月のうちに完成度の高いものを提出するよう要求されます。というのは冗談で、藝大の授業は難しいことはもちろんなのですが、その課題にどれだけ自分らしくやりきることができるのかを試されている気がします。毎回、難しいと思うけどやりがいと成長を感じます。手を動かすことが好きなのだと改めて気付かされます。

藝大の好きな場所について教えてください。

2年アトリエ。遊べるし、友達もいるからです。生協も好きです。課題に行き詰ったとき、お菓子を買いに行ってリフレッシュします。今までは美校にあったのですが、今年から音校に移転するらしいです。許せませんね。

今一番はまっていることは

コンビニで美味しい小鉢を探すこと。K-POPアイドルを見ること。 SEVENTEENが最高です。ウォヌ、アイドルになってくれてありがとう。

藝大のイベントで面白かったことは

藝祭 最高です!!!! 高校 2 年生のときに初めて藝祭に行って感じた、ワクワク感と藝大生のキラキラ感は間違いじゃなかった!

藝大のランチ事情を教えてください

学食はあんまり行かない。(高いから)たまにご褒美で行きます。よく行くのは生協。(学内の売店です)最近品揃えが良くて最高です。移転しないでよ~。

自分の作品に座る私(一人用のソファ作りました)
講評中の風景
紅葉の時期の藝大前

デザイン専攻を目指すみなさんへ!

自分より上手な人はいっぱいいるかもしれない!けど!自分の「好き」を一番表現できるのは自分です!最後まで楽しんで!教授に喧嘩売りましょう!

ここにしかない制作環境で
「ものづくり」を極めたい。

工芸科 工芸専攻 1年 F・Mさん
なぜ東京藝大を目指そうと思ったのですか?

1番は「全部できるってかっこいいから」だったと思います。平面でも立体でも、リアルにモノを描いたり、作ったりできるって普通に凄いじゃないですか。それを極めていった人達の集まりに自分も入りたかったのです。

藝大に入ってみて感じたことは?

作品の見た目だけでなく、制作過程、素材、コンセプトへのこだわりなど人によって大事にしているものは違います。様々な人の話を聞くことで、身の回りにあるモノや自然に生まれた現象に対しての見方、考え方が変わってきているように感じています。どんなに小さいことでも真面目に話を聞いてくれる人達がいて、そういった環境が自分の制作に繋がっているのではないかと感じています。

藝大の授業について教えてください。

22年からガラスと木工の専攻(取手キャンバス)が増えました。 1年生ではガラス、木工、鍛金、鋳金、彫金、陶芸、漆芸、染織の8つの専攻から4つ選択し授業を受け、2年生から1つの専攻を学んでいきます。素材に触れ体験してから専攻を考えるというのは、私にとっては自分のやりたい事を見つめ直す大切な期間であり、同じ課題でも応え方は十人十色なので毎課題刺激的です。1課題で1ヶ月ほどかけるので、クオリティは上がりますが、それでも授業内では終わらず朝早く来て教室が閉まるギリギリまで残って終わらせていました。皆が当たり前のように一生懸命制作する環境はとても居心地が良いです。

藝大の好きな場所について教えてください。

工芸科の試験集合場所でもあるウッドデッキです。お昼になると皆でご飯を食べたり、シャボン玉したり、お昼寝したりします。

今一番はまっていることは

取手キャンパスに行って七宝焼きをしてます。授業とは関係なくてもお願いしたらやらせてくれます。藝大にしかない釉薬を使えるのでとても貴重です。

藝大のイベントで面白かったことは

やっぱり芸祭ですね。芸祭まで残り数週間、他科の法被制作の進み具合を偵察しに行った日がありました。日工邦楽の制作場所はほぼ外のようなものでクーラーはないし、蚊はしつこい、なかなか辛い環境でやっていたのですが、他の科は大きい教室でクーラーガンガン、優雅な制作を目にしてしまった時は驚愕でした。自分たちの作業場に戻ってそれを伝えた時の皆の目の色の変わり様はなかなか面白かったです。

藝大のランチ事情を教えてください

毎日キッチンカーが来ます。他にも芸大の近くにある国際こども図書館の食堂や、根津や上野の駅周りにあるご飯屋さんに行きます。

陶芸授業風景。工芸科では自分たちの作品をより良く魅せるため、展示方法も大事になります。
受験課題の何を伝えたいか、どう表現するかが繋がっているように思います。
漆芸(乾漆の)授業風景。粘土で造形した後に、上から漆を使いながら麻布を貼っていく作業。
芸祭の法被制作。日本画、工芸、邦楽、楽理の4科の1年生がチームになって神輿や法被の制作、パフォーマンスの楽曲やダンスの振り付けなど皆で協力しながら進めていきます。
素材造形(ガラス)授業風景

工芸専攻を目指すみなさんへ!

人間なんて失敗して恥かいて成長するもの、と思えば怖くない!やってみたい、上手くなりたいという気持ちを大切に。予備校での作品は受験課題ではあるけれど、その経験や知識は今後の制作の大切な糧となります。恐れず、冷静に、自分を信じて!