保護者の方へ

美大入試を
わかりやすく

時代の変化に伴い美術大学も学科の増設や再編成等、急ピッチで変動しています。
特殊で分かりづらいという声の多かった
美大入試もさらに混迷を深め、
詳細を把握することが
一層難しくなってきました。

トーリン美術予備校では保護者の皆様へこうした美大入試の情報をいち早く提供し、現状の理解を深めていただくと同時に受験生を力強くバックアップしていきたいと考えています。

美大卒業後の就職について

美大を出ても就職がないのでは?

美大の卒業生は「仕事に就かずに作品を作っている人が多い」というイメージがあるかもしれません。しかしそれは誤解です。実際はほとんどの卒業生が就職をして精力的に働いています。もちろん就職をせずに美術作家としての道を考える人もいますが、割合的には少ないと言えるでしょう。 最近では表現力を備えた人材が求められるようになり、美大卒業生の就職のフィールドは多岐に渡っています・IT(情報技術)の急速な発展に伴って新しい職域も増えてきました。幅広い視野高い専門性を持った美大生にとっては非常に多くのフィールドで活躍できる時代といえるのです。

多摩美術大学 2022年度卒業者

卒業生就職者進学作家希望者その他就職率(%)
日本画381211322
油画12536231650
版画37814411
彫刻37107614
工芸693110127
グラフィック184103101358
プロダクト614219
テキスタイル49192325
環境773611327
メディア芸術73308827
情報デザイン73257437
芸術3611223
総合デザイン129713252
演劇舞踏441022012
劇場美術3120119
合計106346411184413

武蔵野美術大学 2022年度進路状況

卒業生就職希望者就職進学その他就職率(%)
日本画32108141080
油画1465750385888
彫刻2588116100
視覚伝達117868223395
工芸工業1177069173199
空間演出103564994588
建築753432202394
基礎デザイン76484372690
芸術文化65504841396
デザイン情報74544632585
クリエイティブ
イノベーション
71545291096
映像753433152797
合計97656152014930793

例えばこんな仕事に就いています

就職についての質問にお答えします

絵画科や彫刻科を専攻しても就職先ってあるのかな?

確かにデザイン系の生徒へ多くの求人が集まる印象が強いかも知れません。けれども近年では描写力、色彩感覚、形態表現などを磨いてきた絵画科や彫刻科の学生に対しても創造的な仕事の担い手として求人が多くなっています。特にゲーム関係やアニメーション関係の就職先が増えてきているのが最近の特徴でしょう。

就職しない人は何するの?フリーターが多かったりするの?

就職希望者の就職率が良いことは上で説明しましたが、実際に就職を目指さない卒業生も多くいます。そういった人たちは大きく二つに分かれます。一つは進学・留学、もう一つは制作活動です。進学する人は大学院に進んでより勉学に励みます。また留学する人はヨーロッパ方面が多いようです。 制作活動に入る人は自分の作品を作り続けるためにもアルバイト等の仕事に就く人が多いのですが、いわゆる目的が無いフリーターとは大きく異なります。

学校の先生になりたいんだけれど美大でも教職は取れるの?

教育系学部とは異なって卒業すれば資格がとれる訳ではありませんが、1年生の段階から教員免許取得を目的とした授業を受講すれば可能です。美術大学を卒業した中学・高校の美術の先生は多いといえます。

現役合格へ向けて

大学全入の今、全ての美大が難しい訳ではありません。しかし、人気の高い大学は相変わらず難易度も高く、現役合格を果たすには綿密な戦略を立てる必要があることは変わりません。また、現役生は既卒生に比べて受験対策の時間が少ないため、実技と学科のバランスを年間を通してしっかりと維持できるかが大きな鍵となります。また、受験という大きな目標に向かう精神的な強さも必要です。

学科の重要性 ー私立美大の実技と学科配点についてー

現在の美大入試で合格を勝ち取るためには、学科力なしでは不可能といっても過言ではありません。図が示しているように、ほとんどの私立美大では実技と学科を同等に評価しています。実技力だけで合格できる大学は全体の5%に過ぎないのです。

また、学科得点による足切り(学科の点数が一定の基準を満たさない場合、実技がいくら高得点でも自動的に不合格、あるいは補欠に回されるシステム)を実施している大学も少なくありません。私立美術大学は、“学科ができなくても、実技力があれば合格できる”といった考えはきっぱりと捨て去るべきです。

学科試験科目は、ほとんどの大学が国語と英語の2科目を採用していますが、出題傾向は大学によって大きく異なります。なるべく早い時期に学習計画を立て、志望校に応じた対策を講じておくことが必要です。

現役生の落とし穴

現役受験生は、予備校などで浪人生の作品を目の当たりにすると、自分との実技力の差に驚き、早く同じレベルに到達したいという焦りを必要以上に感じてしまう傾向があります。そのため、一学期から実技力を伸ばすことを優先し、自宅においても実技に時間をかけがちとなります。結果、学科に費やす時間を削ってしまい、学校の予習や復習も疎かになるケースが多く見受けられます。実はこれが大きな落とし穴なのです。

現役生の実技力が、本格的に伸びてくるのは二学期後半から年明けにかけてです。焦って実技ばかりに時間を費やすのではなく、学科にも充分な時間を割かなければなりません。特に一学期のうちは学科をしっかりとこなしておく、これが最終的には総合力(実技+学科)を養い、合格に近づく重要なポイントといえます。

家庭での学習

とにかく年間を通した習慣づけが必要です。前述のように出題傾向は学校によって変わりますが、それぞれの志望校の対策に入るためには、基礎力がしっかりとできていることが条件です。しかし基礎固めは一朝一夕に達成できるものではありません。高校と予備校で忙しい生活ですが、しっかりと意識を持って机に向かってください。こうした毎日の積み重ねが、受験期に確実な力となり、大きな成果となって現れるのです。

美大入試の倍率について

少子化による受験生の減少は芸大美大においても無関係ではなく、保護者の方々が受験をされたころと比べると、大幅に入り易くなっているのが現状です。
そして現役合格の割合は10年前と比較すると約2割増加し、全体の6割近くが現役で合格する時代になりました。しっかりと理論を学び練習を積み重ねれば、現役合格は決して無理なことではありません。

成績表について

学科模試&実技試験の
ダブルサポート

ほとんどの美術大学の入試は実技だけではなく学科との総合バランスが重要とされています。

5美大といわれている私立系美術大学の学科と実技の配点は高い基準の総合力が求められ、東京芸術大学を始めとする国公立大学の筑波大学、東京学芸大学等はセンター入試が導入されています。

そのような状況の中で実技か学科どちらか一方の評価だけでは、皆さんの現状は霧の中といえるでしょう。実技の状況、学科の状況をしっかりと把握した講師陣が模試の結果を見て、適確な指導をしていくことにより、皆さんの美大合格への距離が一歩も二歩も近づくのです。

保護者説明会

美術系進学に向けて

美術系進学についての情報はたくさんあるにもかかわらず、分かりづらいという印象を持つ方は多いのではないでしょうか。

ご子息が美大進学を目指す場合、保護者の方々にとっては「就職はどうなるのか…」「どのように力になってあげればよいのか…」という疑問もあるかもしれません。大学入試は本人の努力だけではなかなか乗り切れるものではありません。ご家庭の方々の協力が志望校合格のためには必要です。

そこで、十分なバックアップをご家庭で行っていただくためにも、様々な疑問を解消する説明会を年2回行っております。どんな小さなことでもご質問していただければできるだけ丁寧に分かりやすくお答えいたします。

保護者の方の声

K.Kさんのお母様 K.Nさん

娘と2人でトーリンの門をくぐったのは高校1年の冬1月の事でした。1年の夏、高校の面談の時「美大に進学したい」とはっきりと言ったものの、塾に通うでもなく半年が過ぎた頃です。

高校の美術の先生の推薦でトーリンに足を運び、普通の塾とは違う雰囲気に母娘でおどおどしていた事を思い出します。少し絵が上手いかな?くらいのレベルではたして美大を目指せるのか?今からでも間に合うのか?といった不安に「充分間に合いますよ」とにこやかに答えて下さり、ほっとしました。

基礎類ではさまざまな課題を通し方向性を広げて行く中で、目指す科をデザイン科と決め、受験科では、より専門的な角度から多くの先生方に指導をして頂き1枚1枚を大事にしている様子が持ち帰る作品から感じ取れ頼もしく思いました。

講師の先生方は勿論の事、先輩達からも色々なアドバイスを貰い、娘はトーリンで心身ともに成長させて頂いた事を実感しています。美大に現役で合格するのは難しいと聞いていたので、「浪人してもいいんだよ」と背中を押してやるのが親として精一杯のエールだったように思います。

「この子は天才肌ではないんです」という愚かな言葉にも「こつこつ努力する子の方が向いているんですよ」と言って下さった先生、本当に有難うございました。もうトーリンに通わないのかと思うと寂しい気持ちがしています。

現役合格
●武蔵野美術大学(視覚伝達デザイン学科)
●多摩美術大学(グラフィックデザイン学科)
神奈川県立海老名高等学校出身

Z.Kさんのお母様 Z.Mさん

娘が美術方面に進学したいと希望したのはかなり早い時期だったのですが、身近に経験者がいなかった為、親子共々どうしたらよいのか全く分かりませんでした。

ちょうどその時、小学校のPTAの時から親しくしている方から、お嬢さんの通っていた美術予備校が、とても丁寧に親身になって指導してくれたという話を聞きました。それがトーリンのことでした。

幸い高校の通学途中にあり、初めて夏期講習に行ったのは中3の時、本格的に通塾したのは高1になってからでした。口の重い娘でしたので、ご指導しづらかったことと思われますが、本人には合っていたようで、この何年間、愚痴も弱音も吐かずに通いとおしました。帰宅するのが遅い時間でしたので、学校生活との両立が心配でしたが、目標が定まったことが良かったのか、むしろ成績は良くなりました。

トーリンの個人面接や保護者会では、分からないことだらけの親である私たちにも、分かりやすく説明していただきました。また、娘が一切描いた絵を見せてくれないため、面談の時に見せていただいたのも良い思い出です。

試験期間中も時間があればトーリンに行くことで安心感を得ていた様でした。第一志望に合格することができたのも、先生方の親身なご指導に出会い、早めにスタートできたからだと思います。長い間有難うございました。

現役合格
●武蔵野美術大学(油絵学科[油絵専攻]・[版画専攻])
●多摩美術大学(絵画学科版画専攻)
東京純心女子高等学校出身

S.Aさんのお母様 S.Tさん

娘が、美術系の高校に進みたいと言い出したのは、中学一年生の夏の事。まだまだ漠然とした様子だったのと、親としては、高校から専門科に進ませる事にとても不安を感じていたので、しばらく静観していました。娘の決心は硬く、中学二年の夏、無料デッサン講習会を体験した後、二学期からトーリン美術予備校に通う事になりました。

通常授業は週一回、受験直前は週二回。度々開催されていたデッサン講習会には、ほとんど参加させて頂きました。はじめのうちは、一つの作品を時間をかけて仕上げ、「対象物をじっくり観る」事を大切にし、少しずつ少しずつ時間を短縮していきました。

娘が合格した東京都立総合芸術高校美術科の一般推薦入試は、5個程度のモチーフを三時間で作成するデッサンです。三年生の夏ぐらいまでは、本当に三時間で合格できるレベルの作品が完成するのだろうか……と、本人はもちろん私も思っていたのですが、冬休みに入る頃には、美術の事は全く素人の私でも一歩一歩着実に上達していくのが手に取るようにわかりました。

トーリンの先生方の温かく丁寧な指導のおかげで、娘はこれからどんなふうに美術と向き合って生きて行くのかを、絵を描く事を通して学んでいったのではないかと思います。私たち親の不安な気持ちも、本当によく話をきいてくださり、大変感謝しております。

まだまだ夢の一歩を踏み出したばかりですが、不安だらけだった私の気持ちが、今は娘の世界観がどんなふうに広がっていくのか、楽しみで仕方ありません。先生方、スタッフの皆様、本当にありがとうございました。

合格
東京都立総合芸術高等学校
町田市立真光寺中学校出身